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フォーティファイド・ワイン




ワインの製造行程中に、アルコール度数40度以上、時には80度くらいのブランデーやアルコールを添加して、ワイン全体のアルコール分を16〜22度程度に高め、味にコクを持たせ、ワイン自体の保存性を高めたもののこと。食前酒や食後酒に使われることが多くあります。以下のものが代表的です。




ポート・ワイン、マデイラ

ポート・ワインは、ブドウ収穫後2〜3日醗酵させたあと、アルコール度数77度のブランデーを加えて醗酵を止めて熟成させたもの。以下のように分類されます。

ルビー・ポート
黒ブドウを原料にして、3年間の熟成ののちに出荷される。
ホワイト・ポート
白ブドウを原料にして、3年または5年熟成させて出荷される。
トウニー・ポート
ルビー・ポートをさらに長い年月熟成させたもの。
ヴィンテージ・ポート(公認スペシアルタイプ)
作柄が特に優れたブドウから造られ、収穫から2年目の7月始めから3年目の6月までに、無ろ過で瓶詰めされ、長期間の熟成を経て出荷される。瓶詰めの年を表示する。
レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート(公認スペシアルタイプ)
ヴィンテージ・ポートに次ぐ作柄のブドウを原料に、収穫から4年目の7月から6年目の年末までに、ろ過して瓶詰めされる。瓶詰めの年を表示する。
コルヘイタ(公認スペシアルタイプ)
収穫年表示のポートで、収穫後7年目から瓶詰めする。収穫年と瓶詰めの年を表示する。
トウニー(公認スペシアルタイプ)
長い年月樽熟成させ、黄金色になったもので、10年・20年・30年・40年ものがある。ろ過してから瓶詰めされる。樽熟成の年数と瓶詰めの年を表示する。
ライト・ドライ(公認スペシアルタイプ)
白ブドウを原料とし、低温醗酵で通常のポートよりも醗酵を長くしてからブランデーを添加し、アルコール度数を16.5度以上にした、比較的辛口タイプのもの。
マデイラは、アルコール度数95度のブランデーを添加して醗酵を止め、高温下で熟成させて独特の風味を持たせたもの。3年以上の熟成が義務付けられていますが、さらに長い熟成を経てから出荷されるものもあります。
タイプとしては、辛口のセルシアル、やや辛口のヴェルデリョ、やや甘口のボアル、甘口のマルムジーがあります。



シェリー

シェリーは、名前のあるワインとしてはスペインでは最も古いもので、16世紀、シェークスピアの時代にはすでに高い評価を得ていました。
パロミノというブドウを使ってできるベースワインが、樽の中で『フロール』と呼ばれる産膜酵母を発達させ、独特の風味を持ったもの。すべてのシェリーにはアルコールが強化され、以下のように分類されてます。

フィノ
すっきりと軽く、ドライな辛口。アルコール度数15〜15.5度
マンサニーリャ
サンルカール・デ・バラメーダという町で造られるフィノをとくにこう呼ぶ。海に近いため、やや塩気のある味がする。アルコール度数15〜15.5度
アモンティリャード
フィノが古くなってフロールが死んで酸化したものに、新しいシェリーを加えて活性化したもの。琥珀色で、ナッツのような味と香りを持つ。アルコール度数15〜15.5度
オロロソ
フロールが発達しなかったワインにアルコールを強化し、酸化させて強い香りとデリケートなコクと深みを持たせたもの。金色で、辛口。アルコール度数17.5度

マルサラ

マルサラは、シチリア島でつくられています。シチリア島は、地中海中央にある大きな島で、世界の文化の交差点となっている美しい島。マルサラは、一般的には白ですが、少量ながらルビーノ・タイプ(赤)もつくられています。


ヴァン・ドゥ・ナチュレル、ヴァン・ド・リクール

ヴァン・ドゥ・ナチュレルは、ブドウ果汁の醗酵中にアルコールを添加し、醗酵を人工的に止めて天然の糖分をワインに残して造る甘口ワインのこと。『天然甘口ワイン』ともいいます。

ヴァン・ド・リクールは、未醗酵のブドウ果汁にアルコールを添加し、醗酵を防止した上で、樽で熟成させて造ったもの。コニャックやアルマニャック、カルヴァドスなどが添加される地方もあります。



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